『あさえとちいさいいもうと』はファッションも楽しんで!

何度読んでもスリリングな絵本といえば、この『あさえとちいさいいもうと』です。緊急事態宣言が発令された今年の五月まで、私は子供を一人で留守番させた事がありませんでした。我が子は小学校低学年ですから生まれてからかれこれ7〜8年、家の中で全く一人になる経験をさせていませんでした。ちょっと寝ている間にゴミ出しをなんてこともしませんでした。ほんの一瞬でも閉ざされた家の中に子供が一人でいると思うと耐えたれなかったのです。でも、コロナの感染拡大に伴い、学校が休校になり、子供は自宅からなるべく出さないよう過ごさなければならず、仕方なく一人でお留守番してもらい、私だけ最低限の買い出しやら、銀行や郵便局関連の必要な家事業務を遂行しました。子供は平気な様子でしたが、私がヒヤヒヤしてしまって、無理なんです。ママ友達からは「子離れしなされ〜」と言われますが、そう簡単にはいきません。
 
こんな私ですから、あさえのおかあさんの行動が私には信じられないのです。寝たばかりの幼児をちいさなあさえに任せて銀行に行ったのです。はじめてこの絵本を読んだ時には本当にびっくりしました。
 
「銀行にいってくる、すぐ帰ってくる」と言って、つっかけのまま家を出る母に「そう。いってらっしゃい」と答えるあさえ。
この家族にとっては日常茶飯事のことなのでしょうね。
 
私は何度読んでも泣きながらドアの向こうに立っている裸足のあやちゃんがかわいそうで胸が痛いです。
 
それくらい林明子さんの子供の仕草や表情の描写は秀悦です。
 
あさえのお洋服もシックな色味がフランスの子供服みたいでおしゃれでかわいいです!ボンポワンの子供服のような雰囲気。サイドゴアの革靴も上質そう✨
こんなおしゃれなお洋服を普段から着ているこの姉妹が住んでいる町は自由が丘や田園調布あたりがモデルになっているようです。
 
『はじめてのおつかい』に出てくるパンを買いに来たおばさんが16ページに登場してきます。シバタ電気の奥さんです。たばこを買いに来たおじさんも描かれています。『はじめてのおつかい』の町もこの界隈の設定のようです。28ページにはみいちゃんらしき女の子がブランコにのっています。それにしても、子供たちがおしゃれ!隣のブランコにのっている男の子のお洋服もシックで素敵です!
 
詳しいストーリーや解説はしませんので、よかったら絵本を手にとって読んでみてください!
 
スリリングな設定とほっとするラストがドラマチックな一冊です。
 
フランスの子供服が買えるお店